演劇人コンクール2021出場作品『命を弄ぶ男ふたり』


演劇人コンクール2021 出場作品

『命を弄ぶ男ふたり』




岸田國士


演出

宮澤大和


出演

石塚晴日

佐藤鈴奈

熊野美幸




多角的視点――人は必ずしも自分の場所から世界を見ない

人の肉体は一つしかない。だから人の肉体は、一つの地点にしか存在しない。二つ以上の地点に肉体を存在させるのは、これからどんな技術革新が起こったとしても不可能でありつづけるはず。一方、精神はときに肉体を離れて、同時に二つ以上のところに存在することができる。二者以上の肉体が遠く離れた場所に存在していたとしても、あたかもおなじ場所にいるかのように会話することができるのは、そのためだろう。肉体的に距離があったとしても、互いの精神がとなりあって、寄り添いあうことは可能だ。このように、精神で他者を感じることで、人間は、肉体のある地点とは別のところから事象を眼差せる。


フィジカルな関係性・ディジタルな関係性

「眼鏡をかけた男」と「繃帯をした男」の匿名性―― 二者ともに素顔を隠し、素性は明らかにしない。ゆえにこの間柄で物語られるストーリーが全き事実であると言いきることは難しい。ソーシャル・ネットワーキング・サービスで発せられる言葉が、現実のその人とときに乖離するように。
平成までは、インターネット世界はヴァーチャルで、現実世界がリアルだった。
令和は、インターネット世界も現実世界もリアリティで、リアルではない。
私の狙いは、この作品を通して、令和を描出することである。


【演劇人コンクールについて】

舞台芸術財団演劇人会議による、2000年から2007年までの「利賀演出家コンクール」、2008年から2019年までの「利賀演劇人コンクール」では、数々の才能を発掘、支援してきました。20年を一つの区切りとし、昨年から新しく豊岡の地で「演劇人コンクール」としてスタートしました。

利賀との繋がりは継続しつつ「地域を越え、国際的に活躍できる演出家の発掘と養成」をコンセプトに、今年もコンクールを開催します。(演劇人コンクール公式HPより)

詳細
https://engekijin-concours.tumblr.com/


【場所】

江原河畔劇場
〒669-5311兵庫県豊岡市日高町日置65-10


【日時】

演劇人コンクール開催期間
2021年10月21日(木)~22日(金)
(ぺペペの会は10月22日(金)に上演いたします。)


【チケット】

上演審査は無観客での開催となります。


【スタッフ】

演出部:大木菜摘、新堀隼弥、鈴木南音

舞台監督:今泉馨(P.P.P.)

照明:緒方稔記(黒猿)

音響:おにぎり 海人(かまどキッチン)、テヅカアヤノ(TeXi’s)

音楽:杉浦未来(れとろみらい)