「またまた」やって生まれる「たまたま」
「わたし」が「わたしたち」のことばで話すために,
「わたしたち」が「わたし」のことばで話すために,
撮影:日野敦友
「またまた」と「たまたま」って?
「またまた」
自分自身に関するインタビューのことです。またまた同じインタビューを繰り返すことから「またまた」という名前がついています。榛名湖アーティスト・レジデンス(群馬)、有楽町アートアーバニズムYAU(東京)、京都芸術センター(京都)、芸術準備室ハイセン(滋賀)にて、インタビューを行いました。
「たまたま」
インタビューをもとに制作した作品のことです。上演時間は1つ20分ほど。
「たまたま in Harunako」「たまたま in Tokyo」「たまたま in Kyoto」「たまたま in Shiga」の4つあります。
「またまた」やって生まれる「たまたま」
2024年1月24日(水)~28日(日)に、東京芸術劇場アトリエウエストにて開催いたします。日本各地で行ったインタビューを作品にし、上演します。制作過程の様子も併せて展示します。
✓他ジャンルとのポストトーク
演劇制作における手法(またまた繰り返すインタビュー)の、他ジャンルにおける実用可能性をさぐります。
✓各地でのインタビュー映像
群馬・東京・京都・滋賀で行ったインタビューの実際の様子を上映します。上演した作品「たまたま」とあわせて・比べて、お楽しみください。
✓芸劇でまたまた
またまた繰り返すインタビューを、観客の皆さまと東京芸術劇場にて行います。
※期間中定期開催。詳細はスケジュールをご確認ください
✓たまたま in ○○
「たまたま in Harunako」「たまたま in Tokyo」「たまたま in Kyoto」「たまたま in Shiga」の4つを上演します。
✓作品展示「わたしとわたしたち」
本公演のテーマ、『「わたし」が「わたしたち」のことばで話すために,「わたしたち」が「わたし」のことばで話すために』について、公演参加者が作品をつくります。
作品の詳細はこちら
「わたし」が「わたしたち」のことばで話すために,
「わたしたち」が「わたし」のことばで話すために,
5年くらい前の話。「人と人はわかりあえるかどうか」を何人かで話しあったことがあった。僕は「わかりあえる」と主張した。けれど、「わかりあえない」ことを主張しようとする現実的な論理を前にして、「わかりあえる」という主張はただただ理想論的に響くばかりだった。少なくとも僕にはそのように感じられた。
思えば、現代の対話は「人と人はわかりあえない」という前提のもとでスタートすることが多いように感じる。SNSでの対話を「対話」と呼べるのかはわからないが、そこで交わされる論戦を見ていると、「わかりあえない」前提で対話がなされている(みたいに見えることが多い)。ならば、わたしたちは何のために対話し、何のために意見を交わしあうのだろうか。「わかりあえない」ことを前提にした対話は相手を打ち負かしたり、相手の譲歩を引きだすことにほかならないのではないだろうか。もし、それを「対話」と呼ぶのであれば、とても暴力的ではないだろうか。
対話とは、もっとも平和的な解決の手段である、と信じている僕はやはり理想論的に物事を観測しているのだろうか。「人と人はわかりあえる」。そのことを示すために「あなたとの差異」ではなく「あなたとの共通点」に目を向けて、そこを取っ掛かりに、対話を開始することはできないだろうかと考えた。『「またまた」やって生まれる「たまたま」』の構想はこのようにして形を帯びていった。
いつかは「人と人はわかりあえる」、その前提のもとで対話をスタートさせ、「わかりあえる」ための対話の方法をコーディネートできるようになりたいと考えている。本企画では、手始めに「あなたとわたしの共通点」をテーマに、いくつかの物語を紡いでみてみようと思う。
わたしとあなたのあいだにいくつかの共通点が見出されたとき、わたしとあなたを隔てる壁(境界線)は撹拌され、曖昧になる。「わたし」の言葉が、「わたしたち」の言葉になる。「わたしたち」という集合体のなかに一時的に身を置くことによって、自分の存在感を集団のなかでマッピングできるようになり、「わたしたち」は「わたし」の言葉で喋ることができるようになる。
なにやら壮大なことをやろうとしているようだが、その通りである。本企画は壮大な企みのほんの一過程。しかし行動し続ける限り、あらゆる結果はひとつの過程にすぎない。
作・演出 宮澤大和
公演情報
「またまた」やって生まれる「たまたま」
【作・演出】
宮澤大和
【出演】
A公演
たまたま in Harunako: 石塚晴日、佐藤鈴奈
たまたま in Shiga: 村田活彦、ZR(人間の条件)
B公演
たまたま in Tokyo: 熊野美幸、ZR(人間の条件)
たまたま in Kyoto: 佐藤鈴奈、宮崎明音
【スタッフ】
作・演出:宮澤大和
照明・音響:studio hiari
舞台美術:結城真央(あまい洋々)
作 曲:れとろみらい
撮影:日野敦友
宣伝美術:羽田朱音
制作企画:石塚晴日
制作経理:佐藤鈴奈
【会場】
東京芸術劇場 地下1階 アトリエウエスト
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
https://www.geigeki.jp/access/
【日時】
2024年1月24日~1月28日
※会場Open時間はいつでも展示をご覧いただけます。
【ポストトーク】
ゲスト:上本竜平さま(AAPA)
ゲスト:伊藤比呂美さま
【チケット】
1日券:一般 2500円
リピート券(2日目以降): 一般 1500円
1日券・・・その日は一日、会場への入退場が自由です。Open時間中はお好きな時間にご来場いただけます。会場内で行われるすべてのパフォーマンスをご覧いただけます。
※内容は日によって変わりますので、スケジュールを確認の上ご来場ください。
リピート券・・・別日にもう一度来てくださる方は割引価格でご案内させていただきます。1日券と同様、その日は会場への入退場が自由です。
※会場内での販売のみとなります。会場の受付にて1日券を提示いただけると、ご購入いただけます。
【劇場へ来られない方へ】
演劇をぜひ会場で見てほしい、という願いがあります。
しかし、様々な理由で簡単にはお越しいただけない、会場に行くのが難しいという方もいらっしゃると思います。
そんな方へ向けて、本企画の1部(短編4作品のうち1つ & ダイジェスト動画)だけですが、映像をお送りいたします。
その代わりに、見終わった後に、ぜひ感想を聞かせてほしいです。
会場には、展示や演劇の上演だけでなく、作り手とお客さんが一緒にお喋りができるひろばがあります。劇の感想や気になったこと、劇を見てふと思い出した昔の話から、近くの美味しいごはん屋さんの話まで。
そんなことを、会場にお越しいただけない方とも、話してみたい、と思いました。
会場には行けないけれど、「ぺぺぺの会って?」「演劇ってどんな感じ?」「滞在制作はどうだった?」気になる方はぜひご連絡ください。
【協力】
榛名湖アーティスト・レジデンス
芸術準備室ハイセン
有楽町アートアーバニズムYAU
【助成】
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [東京芸術文化創造発信助成]
【制作支援】
京都芸術センター制作支援事業
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