2019年夏 さふの「ぺ」公演 『夢の旧作』
シアターグリーン学生芸術祭Vol.13 優秀賞受賞作品
『夢の旧作』
鑑賞がおわったとき。
観客はすでに額縁のなかに存在しており、
それをまたちがう誰かが鑑賞する.
絵画的エンゲキ体験»»»»»»これが真の鑑賞する演劇である
作・演出
宮澤大和
出演
石塚晴日
佐藤鈴奈
宇田奈々絵
熊野美幸
小杉 天俊
後藤佑里乃
瀬川花乃子
新堀 隼弥
原田かづね
戯曲(一部)
上演にあたって
私たちの世代は割合に感受性が強い世代です。携帯小説全盛期に少年期を過ごし、今やネットで新旧問わずさまざまな情報に触れることができます。自分で作った作品をSNSで簡単に発表することもできます。私たちは、些末な日常をあっという間にドラマにしてしまいます。
しかし、そのぶん以前の演劇と比べて、「小さく」なっているような気がしてならないのです。身近な演劇が悪いという意味では決してありません。ただ、演劇がいちようにスケールダウンしていく現実に、ひとりの演劇人として危機感を抱いているのです。
私はこれまで作・演出をした10作弱のすべてで「愛」について考えてきました。たとえば、恋、友情、親子、偏ってしまった愛のかたち……。『夢の旧作』ではスケールアップを試み、テーマは「憂国」へ。つまり、人類への愛の讃歌。
私は人間を信じたいのです。信じる力は人間にのみ与えられた能才。言語に頼ることなく、相対する観客と向き合い頑迷に人間を信じ抜く姿、刮目していただきたい。
作・演出 宮澤大和
セリフのない演劇
半年前のことです。ある劇団の海外公演に俳優として出演していた私は、オーストラリアへ渡りました。作品を観ていただくうえで俳優と観客の間や、作る過程に生じる俳優同士の言語の壁に苦しめられました。しかし同時に私は、演劇は言葉を超えうるのではないかと、小さな手応えのようなものも感じていました。
次回、作・演出をする際には、あの時の手応えをかならず確信に変えたい。そんな折に、『夢の旧作』をつくることが決まり、私は作品のコンセプトを「セリフのない演劇」に設定しました。台本はあるのに、セリフがないのです。
俳優の肉声と肉体、そして数編の詩から世界を紡ぎます。私は、劇場では非日常を提供すべきだと考えており、これは私が演劇をつくるうえで常に気に留めていることです。『夢の旧作』には、そのような非日常が詰め込まれています。近くて遠い、まるで夢のような劇世界をどうぞお楽しみいただければ幸いです。
宮澤大和
日時
2019年7月29日〜8月6日
場所
シアターグリーンBASE THEATER
解説ツイート
上演中、解説ツイートを以下のアカウントで配信いたしました。
演出ノート
楽曲(オリジナル)
【『夢の旧作』楽曲情報】
— ぺぺぺの会 (@pepepe_no_kai) July 4, 2019
『夢の旧作』の楽曲は、
クリエイターのれとろみらいさん(@Retromirai)に作ってもらいました。
そのうちの一曲を、限定で公開します。
ドビュッシーのイメージで作ってもらいました。
ぜひ、音をONにして、聴いてみてください。
ご予約:https://t.co/xPemze8YsM pic.twitter.com/JnJJxP8jpP
頂いたご感想・劇評など
池袋シアターグリーンの「ぺぺぺの会」の「夢の旧作」ちょっとこれは何?というほど凄かった。共感しすぎて涙でたし、大笑いしたし、凄まじさに圧倒された。役者もすごけりゃ作・演出もすごい。詩もすごくいい。
— 伊藤比呂美 (@itoseisakusho) July 30, 2019
無理矢理たとえると「三島由紀夫と田村隆一とエドワード・ゴーリーを足して3で割れなかった感じ」。悪夢的な断片が脈絡なく(いや多分あるのだけど僕の知らない脈絡だと思う)続く。「番号」では、番号、と言われるたびに、1,2,3…と叫び、4がしくじって暴力をふるわれる間も虚しい叫びがこだまする。
— 綾門優季 (@ayatoyuuki) August 6, 2019
→ペペぺの会
— Momoko * 河野 桃子 (@momo_com) July 30, 2019
観ている感覚が『美術展』なのは、なにが基準なんだろう…脳がフル回転しつつ、なにも考えてない。情報を細胞で浴びるような…
個人的な感覚の主張でもありながら、世界への視点もあるので、共感できなくても共鳴できる
"個"は"世界(社会)"の相似系というクリエイションの基本がある
不快、不条理、不道徳。それらすべてが静謐で誠実。鍵括弧つきの暴力性、パッケージされた生々しさ。苦痛の伴う鑑賞に耐えられたのは全編通して貫かれた美意識。前説の丁寧さも地味に効いている。それだけにアンコントローラブルな不快さとどう付き合うのか。絵画的ではあるがやはり演劇。#ぺぺぺの会
— 臼杵遥志(ヨハクノート) (@youji_usuki) August 6, 2019
高2が最前のセンターで見てはいけないお芝居だったような気もするし、高2が最前のセンターで見たからこそのお芝居だったような気もする。そもそもあれはお芝居と一括りにしていいのだろうか。私は実写系の映画やドラマをほとんど見ないが、映像はいくらでも加工できる。↓#ぺぺぺの会
— ちはる (@f_2h_0917) July 30, 2019
#ぺぺぺの会『#夢の旧作』を観ました。上演中は解説を読まずに観劇していたのですが、終演後にまっ先に浮かんだ感想が「見えるようにしてくれてありがとう」だったので、"見えづらくなってしまったことへの危惧" が、台詞がなくとも、バシバシと、こちらに伝わってきていたということだと思います。 https://t.co/K2xJCkxFLg
— 中島梓織|Shiori Nakajima (@ope_822) July 30, 2019
物語ベースのものではないけれどドラマがあると感じられたし、僕も演劇は詳しくないのだけど、現代的な表現として、そういった芸術らしくあるものとの共通点は、諸要素の編み物みたいにあるという事だと感じた。こういった詩としてある作品は存在すべきだと感じた上、より洗練された詩人としての作品も
— 平井ひろ人 (@hirai_running) August 6, 2019
より手の込んだ、各素材高まる編み物になるとよりアガる形式なのだろうなと感じた。こうした形での、進歩作が観たいよう感じた。何かに例えるのもなんだけど飼育の無い大江健三郎の死者の奢り/飼育の短編集みたいに感じた。面白いけど。
— 平井ひろ人 (@hirai_running) August 6, 2019
#ぺぺぺの会「夢の旧作」
— 谷川清夏 (@kiyonatsu830) July 30, 2019
広くて重くて圧があって研ぎ澄まされてて、すごい才能だなって思った。見ながら色んなことを考えたし、この後もしばらく「夢の旧作」のこと考えてると思う。
もう十分、やりたい事とそれを支える技術があるようにも見えるけど、見るたび確実に面白くなってく団体だと思った。
こうしたものを表現せざるを得ない気持ちにすごく共感したのと同時に、同じ世代(であろう)20代前半の人たちが、これを作ったということに希望を見出せる舞台で、演劇という方法でしかできない表現に感嘆するなどしております。
— 淫乱な生肉 (@K_tm4) July 30, 2019
そして唐揚げも食べたくなっております。
#ぺぺぺの会
結成一年とは思えない。
— 郷原浩希 (@g_roots7k) August 6, 2019
もっと大きくて、人がたくさん入れる舞台にて開演される事を心から想ってると共に、3次元で応援していきたいと決めました。
ぺぺぺの会さん、ありがとうございます。
【優秀賞をもらいました】
— ぺぺぺの会 (@pepepe_no_kai) September 30, 2019
「夢の旧作」が、SAFvol.13で、優秀賞をもらいました。
SAF運営の皆さま、観に来てくださった方々、応援していただいた皆さま、座組のメンバー、本当にありがとうございました。
ぺぺぺの会は、これからも作品を作り続けます。
みなさま、本当にありがとうございました。 pic.twitter.com/PYIZnPyp40
僕はやっぱり演劇が好きだ。そして、ひとが好きだ。演劇の可能性を信じたい。演劇でなければできない表現をしたい。
— 宮澤 大和 ( ぺぺぺの会 ) (@popperMY7) August 7, 2019
……まだまだ勉強不足だけれど、静かに着実に一段ずつ階段を上っていくように、さらに深く演劇を演劇を愛したいです。 #ぺぺぺの会
【スタッフ】
舞台監督
コトデラシオン
演出助手
コトデラシオン、有間絵未
制作
鈴木南音
照明
木村吏那
音響/作曲
杉浦未来/れとろみらい
当日運営
宇野彩佳、初又渉、赤羽宙、新海有己
宣伝美術
羽田朱音
協力
テアトロ*ネネム、劇団木霊、劇団個人主義、十六夜基地、劇団ひととせ、劇団おおかみ少年
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