2020年12月 短編演劇展「おばけばかり」


【参加作品】

ぺぺぺの会「 楽 園 迫 る 」

いいへんじ「pause」

魔法の竹馬ミナもやん「雲海の園」

【会場】

シアターグリーンBASE THEATER

【スケジュール】

公演日程 2020年12月4日(金)〜12月6日(日)

12月4日(金) 14:00/18:00

12月5日(土) 14:00/18:00

12月6日(日) 13:00






【参加三作品】




魔法の竹馬ミナもやん

『雲海の園』


いつもどうしても、魔が差してくる。

あなたは、夕方なのにスカスカな電車の中で話してくれた。

人生がつまらないことで自分を責めているようだけど。

あなたは私の隣で、まだ目を瞑って拝んでいた。



【作・演出】

黒澤優美

【出演】

大木菜摘

むらのほなみ

(以上、魔法の竹馬ミナもやん)





尚美学園大学で出会った、演劇をつくる3人。2020年に発足。
劇団名の魔法少女っぽさはわざとだが、魔法少女になりたいわけではない。

過去のアンケートには、
「不思議」「不安になる」「怖い」が大多数を占めるなど、
笑って良いのかわからない演劇作品として、高く評価されている。
――――笑っても大丈夫です!
今のところ。

2020年6月 旗揚げしたが、コロナの影響で旗揚げ公演が果たせないでいる。









いいへんじ

『pause』


いったん
止められた音楽の
いったん
閉じられた小説の
いったん
止められた映像の
いったん
伏せられたスマートフォンの

そのなかにわたしたちはいて
思い出されるのを待っている




【作・演出】

中島梓織

【出演】

松浦みる

飯尾朋花

小澤南穂子

(以上、いいへんじ)





早稲田大学演劇倶楽部出身の中島梓織と松浦みるを中心とした演劇団体。

答えを出すことよりも、わたしとあなたの間にある応えを大切に、
ともに考える「機会」としての演劇作品の上演を目指しています。
個人的な感覚や感情を問いの出発点とし言語化にこだわり続ける脚本と、
くよくよ考えすぎてしまう人々の可笑しさと愛らしさを引き出す演出で、
個人と社会との接点を見出したいと考えています。


2016年11月 結成、2017年6月 旗揚げ。
2017年8月 シアターグリーン学生芸術祭Vol.11 にて優秀賞を受賞。
2018年2月 下北ウェーブ2018に選出。
2020年4月 中島梓織、松浦みる、飯尾朋花、小澤南穂子の四人体制となる。
2020年7月 『夏眠/過眠』が第7回せんだい短編戯曲賞 最終候補作品にノミネート。
2020年10月 『器』の上演を無期延期とし「思索と試作」を行う











ぺぺぺの会

『 楽 園 迫 る 』


わたしとあなたを照らすは闇! 一筋の闇!

──長い夜のうちに暮らす人人の呼吸音。そうして人人のあいだに決定的かつ不安定な壁がそびえ立つ。

〈わたし〉の言葉が不自由になったのはいつからだろう。〈わたし〉は誰に向けて話しているのだろう。〈わたし〉が発するのは単なる呼吸音。

この演劇は息詰る現代へ宛てられる便箋。詩によって紡がれた、人人の論理を超越する会話劇。




【作・演出】

宮澤大和


【出演】

石塚晴日

佐藤鈴奈

熊野美幸

(以上、ぺぺぺの会)

【作曲】

杉浦未来(れとろみらい)



ぺぺぺの会は、2018年11月に発足した、令和時代のあたらしいアートを作ろうとする「ぺ」のヒトビトのあつまり。

二十代前半の若手メンバーから構成され、現在は、宮澤大和の詩を用いて、ポストドラマ性を強く打ち出しつつも、その潮流に収まりきらないような作品を主に作っています。

とくに、既存の演劇における「見る・見られる」の関係を批判的に問い直し、観客がその作品の一部になるような演劇を作ります。


2018年5月 新潟古町えんとつシアターにて、第0回公演『獄中のYOUTUBER』上演。
2018年11月 「一人称^自分」で旗揚げ。
2019年9月 シアターグリーン学生芸術祭Vol.13 にて優秀賞を受賞。
2020年5月 『No.1 Pure Pedigree』がこりっち舞台芸術祭 最終審査にノミネート。
2020年5月 『No.1 Pure Pedigree』が新型コロナウイルスのため上演延期。
2020年9月 宮澤大和が「呆然」戯曲賞自由部門で入賞。








ごあいさつ

 次世代を担う、若手劇団が演劇展「おばけばかり」を開きます。

 現在、コロナウイルスの世界的な流行により、劇場から人の気配は消え、演劇界にはたくさんの「おばけ」が生まれてしまったように思います。演劇ができなくなった俳優、空っぽの客席、上演中止の作品・・・。あるべきモノがなくなったその場所には、肉体なき「おばけ」たちが漂っているようです。

 今、ようやく劇場は、徐々に再開されはじめました。

 しかし、未だ中止を余儀なくされる公演が後を絶たず、飛沫防止のために客席に向かって大きな声が出せないなど、コロナ以前の演劇は戻ってきていません。客席は1席ごとに空けられ、そこには今も「おばけ」が座っています。

 私たちは、この期間にあったはずだった演劇を、なかったことにしないために、演劇の「おばけ」が集まる場所として、若手三劇団が短編演劇展「おばけばかり」を開催いたします。




【アフタートーク】

「おばけばかり」各回の上演終了後、30分程度のアフタートークを実施いたします。

・12月4日(金) 14:00
宮澤大和・中島梓織・黒澤優美
主宰三人によるトークです。

・12月4日(金) 18:00 
水谷八也
早稲田大学文化構想学部教授。専門は20世紀英米演劇だが現代演劇・小劇場演劇にも造詣が深い。ジョン・オズボーン『怒りをこめてふり返れ』の翻訳で第10回小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞。

清田隆之
恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として、1200人以上の恋愛相談に耳を傾けてきた。6月に自身初のエッセイ集「さよなら、俺たち」を出版。
桃山商事:http://momoyama-shoji.com/

・12月5日(土) 14:00
宮澤大和・中島梓織・黒澤優美
主宰三人によるトークです。

・12月5日(土) 18:00
本橋龍
ウンゲツィーファ主宰。「青年(ヤング)童話」と題して生々しい日常描写と幻想的な意識下の描写をシームレスに行き来する作劇を行う。ウクレレ吟遊詩人としても活動中。
ウンゲツィーファ:https://ungeziefer.site/

・12月6日(日) 13:00
関美能留
1997年に三条会を結成、以後すべての作品の構成・演出を行う。主な演出作に武田泰淳『ひかりごけ』、唐十郎『秘密の花園』など。第2回利賀演出家コンクール最優秀演出家賞、第3回千葉市芸術文化新人賞受賞。
三条会:https://www.sanjoukai.jp/





【谷川清夏さんの稽古場レポート】

制作補佐に入っていただいている谷川清夏さんが、各団体の稽古場をレポートしてくれました。各団体・作品の雰囲気が分かる、上演前にも、上演後にもお楽しみいただけるレポートです。




【各団体の創作ノート公開中です】

各団体、それぞれの創作の過程を、WEB上で発信しています。

いつ中止になるかもしれないこのご時世だからこそ、目の前でその日起きたことを、文字にし続けました。

観劇前に読んで予習して行くのも、観劇後に読んで納得するのも、どちらもオススメです。





【劇評の文通】

観客という立場から、『おばけばかり』に参加してみませんか?

これまでぺぺぺの会では、演劇を通してさまざまな価値観を持つ人たちと出会い、対話することを目指してきました。たとえば、上演終了後にはアフターコミュニケーションを実施するなど、作り手と観客とのインタラクティブな関係性を構築することを試みてきました。

しかし、現在のコロナ禍のなかでは、これまでのように終演後にアフターコミュニケーションを開いたり、ご感想やご批評を仰いだりすることは困難です。コロナ以後、作り手と観客、そして観客と観客の距離は、物理的にも精神的にも、ぐっと広がってしまったように思います。

そこで、わたしたちは『おばけばかり』で「劇評の文通」を行なうことにしました。

詳しくは、こちらをご覧ください。


【WEBラジオやってます】

ぺぺぺの会は、創作の過程の「記録」と「対話」に力を入れています。

この変化し続けるコロナ禍の中で演劇をやるということについて、各団体の主宰が語り合う、和気藹々としたWEBラジオです。

劇作家たちが、今、何を考えているのかが分かります。
作業のお供にぜひ。

出演者・スタッフと、ぺぺぺの会の佐藤鈴奈がお話しした、R cord Radioも併せてお楽しみください。



【いただいたご感想】




【主催】

ぺぺぺの会

【スタッフ】

照明:早野陵
照明補佐:鈴木譲
音響:おにぎり 海人(かまどキッチン)
映像・作曲(「 楽 園 迫 る 」):杉浦未来(れとろみらい)
舞台監督:黒澤多生(青年団)、佐藤鈴奈
宣伝美術:羽田朱音
仮フライヤー:熊野美幸(ぺぺぺの会)
物販・アフタートーク司会:佐藤鈴奈(ぺぺぺの会)
写真撮影:コトデラシオン 映像撮影:日比野線
制作補佐:谷川清夏、百瀬啓
運営協力:有間絵未
総合制作:鈴木南音(ぺぺぺの会/無隣館)

【協力】

シアターグリーン学生芸術祭事務局、いいへんじ、魔法の竹馬ミナもやん、かまどキッチン、青年団、無隣館、有間絵未、木村吏那