新NISA批評演劇『悲円 -pi-yen-』
新NISA批評演劇『悲円 -pi-yen-』
パパから引き継いだ畑でブドウを栽培している
歳を取っていくらか面倒になった母親をいつからだろう、クソババァと心のなかで蔑むようになったのは
いつも比較されて、いつも自分はほかの誰よりも劣ってるのだと思って生きてきた、
一発逆転してェ……
そこにやって来たのはFIREを達成したと自称するインフルエンサーの二人組、奴らは夜な夜なライブ配信をしてこう喧伝する
——今! まさに今! 日本円はとても悲しい運命を辿ってる最中なんです🥺
劇作家が自らの投資体験をもとに書き上げた、ぺぺぺの会のワンダフルな新作長編
「貯蓄から投資へ」「一億総投資家」社会がもたらす功罪、経済はますます私たちの生活を侵食していく
本公演に向けて
2024年は「新NISA元年」と呼ばれた。これまでのNISA制度よりもさらに非課税枠が増えて投資を始めるハードルは格段に下がったといえる。その頃からぼくの周囲でも投資の話をする人が増えた。
投資で一発当てて、もしも経済的自立(投資のリターンによって得られる収益だけで生活をすること)を達成できたら仕事を辞めて田舎暮らしでもしようかな。東京で身も心もすり減らすのは散々だ。
ただの飲み会での与太話。だけれども、この会話はなんだか「現代」を克明に描写しているようなしているような気がして、ぼくの心をきゅっと掴んで離さなかった。
次に演劇をつくるときには「新NISA」を、「投資」をテーマにしようと決めたからには、すぐさま証券口座を開設してぼくも投資を始めてみた。
投資を始めて、わりに真剣に投資対象や金融経済をリサーチしていると世界の見えかたがだんだんと変わってきた。演劇を始めたばかりの頃も、世界そのものが大きな「演劇」に見えてきた感覚とちょっと似ている。今、ぼくにはこの世界が大きな「経済の演劇」に見えている。
新NISAをテーマにした演劇は最終的にアントン・チェーホフの名作『ワーニャ伯父さん』と結びついて、実を結ぶようにして新たな物語が生まれた。
どうしてチェーホフだったのか。どうして『ワーニャ伯父さん』だったのか。理由を述べることはできるにはできる。けれど、述べられる理由はすべて後から付いてきたものであるような気がしてならなかった。
あの時、『ワーニャ伯父さん』と投資にまつわるあれこれが結びついた、あの瞬間の静かな電撃がこの作品には込められてある。
——作・演出 宮澤大和
公演情報
【日程】
3/26(水) 19:30
3/27(木) 19:30
3/28(金) 19:30
3/29(土) 14:00 / 18:00
3/30(日) 14:00 / 18:00
3/31(月) 15:00
※受付開始・開場は開演の30分前
【会場】
ギャラリー南製作所
〒144-0034 東京都大田区西糀谷2-22-2 📍MAP
(京急蒲田駅から徒歩15分、京急空港線糀谷駅から徒歩13分)
【チケット】
日経平均株価に準じた価格変動制を採用しています。
一般チケット:3,593円(2/1~2/2まで)
おすそわけチケット:500円 or 1,000円
**ご予約はこちらから**
[事前精算・おすそわけチケット購入]
Peatix
※事前精算は、毎週金曜の日経平均株価の終値(15:30時点)× 0.09円が、翌週のチケット代の料金になります。
例:1/17(金)の日経平均株価終値 38,451.46円× 0.09 = 3,460円が、翌週1/20(月)~1/27(日)まで適応となります。
※おすそわけチケットは、購入いただいた分が他の人におすそわけされます。
3,500円分が貯まると、他のだれかのために無料のチケットが1席ストックされる仕組みです。おすそわけチケットをご利用される場合は、後日公開されるGoogleフォームからご予約をお願いします。
[当日精算]
https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?d=t75siklx
※当日精算は、ご観劇日当日の日経平均株価の始値(9:00時点)×0.09 がチケット料金になります。
【出演】
石塚晴日、熊野乃妃、佐藤鈴奈、宮崎明音、侑沙、村田活彦、岸本昌也
【スタッフ】
作・演出:宮澤大和
演出補佐:坂本奈央(終のすみか)
舞台監督:星善之(ほしぷろ・旅するたたき場)
照明:男山愛弓
作曲・音響:水瀬時帆
宣伝美術:羽田朱音
制作企画:石塚晴日
制作経理:佐藤鈴奈
主催:ぺぺぺの会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [東京芸術文化創造発信助成]
0コメント